ストレス耐性を上げる為に必要な4つの習慣(part1/2)


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食欲をコントロールできない4つの理由(part1)(part2)
で最後にあげた『ストレス耐性』についてです。(まだ読まれていない方はこちらからどうぞ)

生きるということはストレスとの戦いと言っていいかもしれません。
私たちの心身は、日々ストレスと戦っています。
菌、ウイルス、怪我、肉体疲労、毒、時間、悩み(人間関係、仕事、将来など)、暑さ寒さ、酸化、、、、挙げればきりがないです。

それらのストレスに負けた時、心身は『病気』となり、その先に『死』があります。

例えば、心身が元気で充実している時は免疫力が高く、風邪ウイルスが体に入ってきても打ち勝つことができます。
しかし、寝不足が続いているなどで免疫が下がっている時は、風邪ウイルスに負けてしまい、いわゆる風邪をひくわけです。

労働問題も似ていますが、1日二日くらいの残業や徹夜は耐えられるけれど、長期間に渡ってそれが続くと、心身が負けて病気になりますよね。

先ほど挙げた各種ストレスに抵抗する能力というのは、個人個人で違います。
周りの方を思い出して考えてみてください。

     

  • やたら寒がる人
  • すぐ疲れる人
  • ちょっとしたことで落ち込む人
  • 痛がりな人
  • しょうもないことですぐ怒る人

あなたの周りにいてませんか?

環境ストレスに弱かったり、対人ストレスに弱かったり、侵害刺激というストレスに弱かったりという人ですね。

逆に、こんな人もいてますよね。

     

  • 年の割に見た目が若々しい人
  • あんまり寝なくても大丈夫な人
  • 力が強い人
  • 集中力が長く続く人

酸化ストレスに強かったり、重量ストレスに強かったり、情報処理にかかるストレスに強かったりという人たちです。

これらのストレスに打ち勝つ能力を『ストレス耐性』といいます。

そして衝撃の事実ですが、
身体はこの個別のストレスを、あまり個別のものとして捉えてくれないのです。

全部ひっくるめて

ストレス

と認識しているのです。

ですので、ストレス耐性の低い「疲れやすい人」は、「やたら寒がる人であったり痛がりな人であったり感情のコントロールが苦手な人であったり集中力が低い人」であることがとても多いです。

反対に、ストレス耐性の高い人は、暑さ寒さに強く、感情のコントロールができて、ポジティブに考えることができて、風邪をひきにくい、という、全てにおいてストレス耐性の高さを示すことが多いです。

身体は個別のストレス耐性だけを上げるようなことはあまりできないからです。
ストレス!というくくりだからです。

僕の書く文章はしつこいでしょう?
重要なことは繰り返す主義です。

では今一度。
身体はこの個別のストレスを、あまり個別のものとして捉えてくれません。

ストレス耐性が高いと、良いことずくめな気がしませんか?
ストレス耐性を上げたくなってきたでしょう?

前回の記事でも書きましたが、ストレス耐性は上げることができます。
いくつかある中で、ここでは私が特に大事と考える4つの方法を挙げていきます。

まず一つ目

train

筋肉トレーニング

筋トレです。
ここでいう筋トレは広い意味で捉えてください。後述します。

筋トレがなぜストレス耐性を上げるのに大事なのかを理解してもらう為に、まずホメオスタシスとアロスタシスという人間の持つシステムについて説明させてください。

ホメオスタシスとアロスタシス

人間にはホメオスタシスという機能があります。
ホメオスタシス(恒常性)とは、環境がどうあれ、決められた値に戻ろうとする力、あるいはその状態を言います。
例えば、外が4℃の寒い日でも、38℃の熱い日でも、体温は一定ですよね?
人間の体は、体温、血中酸素濃度、血圧、水分、血糖などが常に一定に保たれる様になっています。
脂肪の量や筋肉の量も、短期的にはホメオスタシスが働いて、すぐに元の量に戻ろうというシステムが発動します。

では、ホメオスタシスが維持できなくなる時とはどんな時でしょうか?
例えば、全力疾走するとします。しばらく全力疾走していると、筋肉への酸素供給やエネルギー供給が追いつかなくなり、息が切れてきます。
なお全力疾走を続けると、気合だけではどうしようもない限界がやってきます。疲労です。
この疲労は、体が「これ以上全力疾走を続けられるとホメオスタシスが維持できない!」という防衛反応です。

ホメオスタシス

しかし毎日の様に頻繁に走っていると、体は「今のままではダメだ」と、環境に適応しようとします。
エネルギー生産が上手になり、酸素交換の効率があがっていき、だんだん以前よりも息が切れにくくなってきます。
この様に、体に対するストレスに適応しながらホメオスタシスを維持しようとする、動的適応能をアロスタシスといいます。

違う例をもう一つ。

腰が痛いので、痛み止めを飲むとします。すると、薬が効いて痛みが和らぎました。
また痛くなってきたので再び薬を飲みます。やっぱり薬が効いて痛みが和らぎました。
これを日々繰り返したとします。
すると、アロスタシスが働いて、痛みの感覚は薬を飲んで痛みが治まってるのが通常の状態と体が適応しだします。

背中を触れるか触れないかの圧で触ると「こそばい」ですよね。そこからもう少し強く押すと「気持ちいい」という感覚に変わり、さらに強く押し込むと「痛い」という感覚に変わりますよね。

痛み止めを飲み続けることで、アロスタシスにより感覚が1段階ずれていくわけです。
痛み止めを飲んでいる状態が普通の感覚になってきたので、腰痛がより痛く感じてしまいます。
そこでどんどん薬の量を増やしたり、よりきつい薬を使うことで対応しようとするのですが、体はまたそれに適応していきます。薬に対する肝臓の抵抗性があがることもあり、痛みに弱い体が出来上がってしまうわけです。

麻薬も同じです。麻薬を使って快感になります。アロスタシスが働いて快感のレベルが通常になります。
麻薬の効力がきれて快感レベルが通常に戻ると、体は「不快」に感じます。
さらに前回より快感レベルを上げないと快感まで到達できないので使用量を増やします。それがまた通常になって、、、

なんとなくホメオスタシスとアロスタシスというシステムを理解していただけましたでしょうか?

ここでトレーニングです。

トレーニングは身体に物理的なストレスを与えることで一旦弱らせ、十分な休息(栄養と睡眠)を得ることで前回よりも強い状態になって戻ってくるために行います。
アロスタシスです。トレーニングで与えた負荷(ストレス)に適応しようと身体が変わっていくわけですね。
サイヤ人みたいなもんです。サイヤ人を知らない人はまずドラゴンボールを読んでください。
ドラゴンボールとスラムダンクを読んだことのない人は、なにをおいてもまず読みましょう。
人生にまだドラゴンボールとスラムダンクという楽しみを残してる人は羨ましく思います。

諦めたらそこで試合終了ですよ

さて、動物は疲労した状態ではいろんなミスが起こります。
寝不足やと集中力が低下しますよね。
1日中計算してるとだんだん間違いが多くなってきますし、暗記しようにも長時間になってくると頭に入ってきにくいです。
疲労によるものです。

疲労した状況において運動も様々に変化します。

  • 運動のスピードがスローダウンする
  • 姿勢が崩れる
  • 可動域が変化する
  • テクニックが変化する(安定性に欠け出す)
  • 正確性が低下する
  • 戦略が変化する(代償動作を出す)
  • 片側にシフトする(体重が片方に偏る)

日々のトレーニングでこれらを抑制することがトレーニングのコンディション面でのゴールになり、ストレス耐性を上げることができます。

筋トレ自体が自分との戦いで、「もうダメだ」というところから重りを1回2回と挙げることで成長するわけですし、それ自体がストレス耐性を高める行為ではありますが、ストレス耐性をあげる為のトレーニングとして、筋肉をただガンガンでかくするよりも、

  • より一般的な環境内での仕事許容量の構築(トレーニング環境を考慮する)
  • 疲労時に(疲れてきてから)どれだけ正確に必要な姿勢、位置、運動の強化と持久力の構築ができるか
  • 全般的なストレス耐性スキルの開発
  • エネルギー生産向上のための身体の全体的なシステムの開発

というゴールを設定する方がより効率的に目標達成できます。
ちょっと難しい説明になりましたが、トリガーポイントにきていただけたらもっと詳しくお伝えできます(笑)

ある一定レベルを超えると、パワーとスタミナはシーソーの様な関係性で、両方を伸ばし続けるのは難しいです。
ですので、ご自身の行っている競技特性や日常生活を考慮して、パワーかスタミナかどちらかにターゲットを絞り、もう一方は維持をするようにトレーニングに励むのがいいでしょう。

オバマ元大統領は毎日45分のトレーニングを週6回、microsoftのビルゲイツは毎日1時間のランニングを、日本の安倍首相も笑っていいともに出演した際にすごくトレーニングに励んでいることを語っていました。

以下はオバマ元大統領とプーチン大統領のトレーニング風景です。

クソ忙しいはずなのに、毎日こなすという行為自体が、ストレス耐性の高さを現していますよね。

続きまして2つ目は

炎症をコントロールする

です。

が、長くなってきたので次回に続きます。

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